- 【油断大敵】気を付けたい何気ない「日常生活の場面」
- ケース1 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って乾いた後、その手で愛猫をなでる
- ケース2 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭った後に手を念入りに洗う。そのあとで育毛剤が顔に垂れた場所を愛猫がなめる
- ケース3 床に垂れた育毛剤が乾き、その場所を愛猫がなめる
- ケース4 カーペットに垂れた育毛剤が乾き、その場所を愛猫がなめる
- ケース5 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って、その手でドアノブを触り、家族がそのドアノブに触れた後に愛猫をなでる
- ケース6 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って、その手で愛猫のごはん容器を触り、その容器で愛猫がごはんを食べる
- ケース7 育毛剤がついた手を水で軽く流した後、その手を愛猫がなめる
- ケース8 塗布した時に育毛剤が髪につき、その髪を愛猫がなめる、または噛む
- ケース9 育毛剤を塗布し、しばらくたって乾いた後に髪型を整えようとして手で触り、その手で愛猫をなでる
- ケース10 育毛剤を塗布した後に、その髪が抜け床に落ちて、その髪を愛猫が誤飲する、またはなめる
- ケース11 育毛剤を塗布しベッドで就寝、使用した枕を愛猫が舐める、または愛猫が枕に触れて、触れた箇所をグルーミングする
- ケース12 育毛剤を塗布しようと容器を逆さにしたときに床に垂れて、その場所を愛猫がなめる
- ケース13 育毛剤を塗布しようと容器を逆さにしたときに、直に愛猫の体に垂れる
- ケース14 育毛剤の容器の外側に育毛剤が垂れて、その場所を愛猫がなめる
- ケース15 出しっぱなしにした育毛剤の容器で愛猫が遊んで、育毛剤がもれ、愛猫につく
- ケース16 洗面台で育毛剤を塗布し垂れた場所をそのままにして、洗面台に愛猫が乗って体につく、または洗面台をなめる
- 危険な日常生活の場面についてのまとめ
- 海外で実際におこった事例
- 海外での実際にやっている対策(一般人の投稿より)
- 猫のミノキシジル中毒に自分でできる対処法は「"大至急"動物病院へ」のみ
- 日常生活での注意ポイントまとめ
【油断大敵】気を付けたい何気ない「日常生活の場面」
「注意してるから大丈夫」「猫がいないところで使っているから」、こんな感想をお持ちの方もいるかもせれません。
しかし、不測の事態というものは大丈夫と思っているからこその油断から起きてしまうもので、自分では使っていないが親が使っていたなんてことも考えられます。
万が一の事態は何気ない日常生活の場面の中に潜んでいて、予想もしていなかったところから降ってくるものです。
ここではそんな何気ない日常生活の場面の中で、危険が潜んでいる可能性がある状況について紹介したいと思います。
自分で使っている人も使ってない人も覚えてもらって、日常生活での中毒リスクの低下に役立ててください。
ケース1 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って乾いた後、その手で愛猫をなでる
塗布している場所が頭なので垂れてくると顔に育毛剤が流れてきて、目に入りそうになります。
するととっさに手で拭ってしまいます。まだ拭ったことを覚えていればいいですが、意外と忘れてしまうもの。
手の脇で拭ったり、前腕の部分で拭ったり、いろんな場所で拭ってしまうかもしれません。前腕の場合は衣服についてしまうこともあります。
手で拭った場合はその場所をよく覚えておくようにしてください。
ケース2 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭った後に手を念入りに洗う。そのあとで育毛剤が顔に垂れた場所を愛猫がなめる
塗布した後に手はよく洗ったけど、そのあとにうっすらと顔に垂れてきていることに気付かないで、その場所を愛猫がなめてしまうことが考えられます。
塗布した後は垂れてこないか確認してから、愛猫のもとへ行くようにしてください。
ケース3 床に垂れた育毛剤が乾き、その場所を愛猫がなめる
これも意外と忘れがちです。
塗布した時に床に垂れてしまった育毛剤を、「後で拭きとろう」と思っていながら、手を洗いに行って忘れてしまうということが考えられます。
これを防ぐには、塗布する場所を垂れても大丈夫な洗面台などで行うことでリスクを減らすことができます。
ケース4 カーペットに垂れた育毛剤が乾き、その場所を愛猫がなめる
カーペットなどの布製品に垂れた場合はより注意が必要です。
なぜかというと、どこに垂れたかすぐにわからなくなってしまうからです。
床の場合は跡が残りやすいですが、布製品は吸収して乾くと案外場所が分からなくなってしまいます。
これもやはり塗布する場所を、猫が行かない安全な場所で塗布することがリスクを減らすことに繋がります。
ケース5 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って、その手でドアノブを触り、家族がそのドアノブに触れた後に愛猫をなでる
盲点になりやすいのがドアノブや間接的に触ってしまう場所です。
手などは直接付いてしまうことから注意を払いやすいですが、ドアノブなどは意識がそこまでいかず触ってしまうことがあります。
特に注意が必要なのは「生活動線の中にある必ず触る場所」です。要はドアノブなど必ず通り、必ず触る場所です。
そういった場所は触る際は違う手で触る、あるいはドアを開けておくなどの対策が必要です。
また自分では注意していても、塗布している人が自分以外の家族の場合があるので、使用しているかを確認の上注意をするように声がけをしておくようにしてください。
ケース6 顔に垂れてきた育毛剤を手で拭って、その手で愛猫のごはん容器を触り、その容器で愛猫がごはんを食べる
朝の身支度や愛猫のごはんの準備などは、一度にやってしまう方も多いのではないでしょうか。
そうすると、育毛剤を塗布していたら愛猫にごはんのおねだりにまけて、塗布しているその手でごはんの容器を触ってしまうなんてことも考えられます。
こういったことを防ぐには、塗布の順番をごはんなどのお世話が終わった後にするという方法が一番効果があるので、試してみてください。
ケース7 育毛剤がついた手を水で軽く流した後、その手を愛猫がなめる
手についたミノキシジル育毛剤は油断していると、簡単な手洗いぐらいだと手に残ってしまうことが考えられます。
海外でも手を洗ったあとに、その手を愛猫がなめて中毒症状を起こした例もあります。
手洗いは20秒以上しっかりと洗い、洗い流すときも20秒以上洗うようにすすぐことを徹底するようにしてください。
できれば最低でも20秒以上の手洗い、すすぐを2回は繰り返してください。面倒でなければ3回以上がよりリスクを減らせます。
ケース8 塗布した時に育毛剤が髪につき、その髪を愛猫がなめる、または噛む
猫は髪の毛を噛んだり、なめたりすることがあるので、そういった癖がある猫はより注意が必要になります。
おねだりをするときに噛む、常に噛みたがるなど様々な猫がいますが、愛猫の癖を考えて注意するようにしてください。
乾いた後のミノキシジルの影響については、明確な安全性はわからないので、基本的には噛ませないようにすることを意識するようにしてください。
ケース9 育毛剤を塗布し、しばらくたって乾いた後に髪型を整えようとして手で触り、その手で愛猫をなでる
乾いた後の髪の毛に、ミノキシジルがどの程度残留しているかは不明です。
そのため乾いた後も基本的には髪の毛には触らない。触った場合は念のため手を洗い流すことを徹底するようにしてください。
分からない時は「最悪の場合を想定する」ことを基本として、考えるように行動してください。
ケース10 育毛剤を塗布した後に、その髪が抜け床に落ちて、その髪を愛猫が誤飲する、またはなめる
髪の毛の落下に関しては、完全には防ぐことは難しいと思われます。
なので注意するポイントは、塗布した後は髪の毛には触らない、整えるなどで触る場合は猫が来ない別室、または洗面台などで落下しても大丈夫な場所で整えることを徹底してください。
乾いた後のミノキシジル残留が分からないので、こちらの場合も分からない時は「最悪の場合を想定する」ことを基本ということを徹底してください。
要は起きた後の対処ではなく、起きる要因をなくすということです。
ケース11 育毛剤を塗布しベッドで就寝、使用した枕を愛猫が舐める、または愛猫が枕に触れて、触れた箇所をグルーミングする
海外では実際にこのようなケースが報告されていて、注意を促すように投稿されている方もいます。
就寝前に塗布する方が多いと思いますが、その場合でも就寝の30~1時間程度前に塗布して、乾いてから就寝することを徹底することでリスクを減らせるので、塗布する時間にも注意をするようにしてください。
ケース12 育毛剤を塗布しようと容器を逆さにしたときに床に垂れて、その場所を愛猫がなめる
育毛剤は逆さにして塗布するタイプがほとんどだと思いますが、このタイプは逆さにすると垂れることがあります。
商品によって垂れる確率は違うかもしれませんが、「逆さにしたら垂れるかも」という意識は常に持って、垂れても大丈夫な場所で塗布することを徹底してください。
ケース13 育毛剤を塗布しようと容器を逆さにしたときに、直に愛猫の体に垂れる
これも同様です。育毛剤の容器を逆さにすると垂れることがあるので、愛猫がいる場所、あるいはやってくる場所では塗布しないことを徹底するようにしてください。
ケース14 育毛剤の容器の外側に育毛剤が垂れて、その場所を愛猫がなめる
意外と忘れがちなのが育毛剤の容器についたミノキシジル。
塗布した時にノズルについた液が、容器の外側を垂れることがあります。これには意外と気付かない場合もあるので注意が必要です。
下記のケースと同様に容器の扱いにも細心の注意を払うようにしてください。
ケース15 出しっぱなしにした育毛剤の容器で愛猫が遊んで、育毛剤がもれ、愛猫につく
上記のケースと同様に、育毛剤の容器の扱いには細心の注意が必要です。
猫はどんなものでもおもちゃにしてしまいます。育毛剤の容器に全く興味を示さない猫もいますが、中には手でたたいたりしておもちゃにしてしまう場合もあるかもしれん。
一番の安全な方法は、容器を出しっぱなしにしないことです。愛猫の手の届かないところで保管するようにしてください。
ケース16 洗面台で育毛剤を塗布し垂れた場所をそのままにして、洗面台に愛猫が乗って体につく、または洗面台をなめる
油断大敵なパターンが、塗布する場所を愛猫がいない場所で塗布して、そのあとで愛猫が塗布した場所に行ってなめてしまうといった場合です。
別の場所で塗布したから大丈夫と油断していると、猫は自由にいろんな場所に行ってしまうので、いつの間にか普段はいかない場所へ行ってしまうなんてことがあるかもしれません。
洗面台の場合は良く洗い流すことを徹底するようにしてください。
危険な日常生活の場面についてのまとめ
ここで紹介したのは実際に会った場面と、実際に使ってみての危険な可能性がある場面を紹介しました。
しかし、これ以外にもいろんなことが考えられるかもしれません。
重要なのは愛猫の癖を理解して、「大丈夫だろう」ではなく「起きるかもしれない」という意識で行動することにあります。
自分の環境の中で潜んでいるかもしれない危険を常に意識して、安全な猫暮らしをするようにしましょう。
それではこの後では、海外での実際に起こって事例と注意したほうがいい点(海外での投稿)について紹介していきます。
海外で実際におこった事例
事例その1
猫の年齢は3歳。まだまだ若い猫で行動も活発であったであろう年齢。そんな猫に起きてしまった悲しい出来事。
3歳の猫を飼っている飼い主が、猫の脱毛(ハゲ)に気付き、その対処法として猫の脱毛部分にミノキシジルを塗布した。
その後、ミノキシジルを塗布された猫は呼吸困難、昏睡(外部からの刺激に反応しない)の状態になる。
レントゲン撮影の結果、胸部には肺水腫、胸水が確認され、また肝臓の酵素の増加も示された。
まだ3歳だったその猫は心不全により、15時間後に虹の橋を渡った…。
塗布した育毛剤の量は一滴だった。
事例その2
猫の年齢は7歳。ちょうどシニア期にかかる年齢で、病気もしやすくなり健康に注意が必要となる年頃。そんな猫に起きてしまった悲しい出来事。
猫の脱毛に気付いた飼い主さんが、何とか治療できないかと5%ミノキシジル溶液を塗布し、その後飼い主は、3日間の外出に出かける。
3日ぶりに戻った飼い主は、猫が呼吸困難に陥っていることに気付いた。
動物病院での検査の結果、肺水腫と胸水を確認し支持療法を実施を試みる。
しかし、その猫は心不全によって、10時間後に虹の橋を渡った…。
海外での実際にやっている対策(一般人の投稿より)
- ミノキシジルを塗布しているお風呂場には猫を入れない
- ミノキシジルを塗布した後は手を洗う
- ミノキシジルを塗布した後は30分は猫やご飯を与えている食器類に触れない
- ミノキシジルの保管場所は猫がいけない場所に保管
- 猫が枕やまくらカバーに触れないようにする
- 頭皮や髪ミノキシジルが乾いた後も、頭皮や髪を手でさわらない
- ヘッドホンや帽子などの頭が触れている物の扱いに注意する
- 猫が流し(洗面)に近づかないようにする
- 猫が夜(できれば常に)、寝室に入れないようにする
このような注意喚起の投稿がありました。
これらの共通するポイントは、万が一のことが起きないような環境にすることです。
参考にしてもらって問題対処ではなく、自分の環境に合った発生源対策をするようにしてください。
この後では万が一の時の対処法と日常生活での注意点のまとめについて紹介していきます。
猫のミノキシジル中毒に自分でできる対処法は「"大至急"動物病院へ」のみ
万が一、猫がミノキシジル中毒を起こした場合は、自分でできる対処はありません。
急速に症状が発症し、進行する可能性が高いため、早急に近くの動物病院の獣医師に見てもらうようにしてください。
ミノキシジル中毒に対する治療法は今のところありませんが、胸水などの症状であれば、対症療法である胸水を抜いて呼吸をしやすくするなどの対処によって助かることもあります。
そのため「間違いなくミノキシジルをなめた」と確信がある場合は、症状が出る前にすぐに動物病院へ向かってください。
口から取り込んでない場合は「洗い流す」対処が有効
口から取り込んでしまった場合は、すぐに口内を洗い流したとしても100%完全にミノキシジルの吸収を防ぎきる可能性は低いので、すぐに動物病院へ行くのが正解です。
しかし口から取り込んでのではなく、「床に垂れたミノキシジルの液体を踏んだ」または「猫の体にミノキシジルの液体がかかった」などの場合は洗い流すことで、吸収する前に除去できる可能性があります。
万が一そのようなミノキシジルが体についた場合は早急に洗い流す、嫌がっても無理やり洗い流すことを行うことで、吸収する量を最小限にとどめることができます。
洗い流したうえで猫のをことを、1分1秒目を離さないようにしてよく観察をするようにしてください。
少しでも異常があれば動物病院へ行ける準備だけはしておいて、万が一には備えるようにしてください。
起きてからでは遅い!万が一の事態が"起きないように"することが大切
起きてしまった後には、できることが限られてしまい、万が一の事態もありえます。
そうならないためには予防として大切なことは、起きる可能性のある状況を作らないことにあります。
これには飼い主さんの行動1つで簡単にできることなので、愛猫のためにも、安心して共に暮らせるようにしていきましょう。
日常生活での注意点や、安全な使い方などを海外のサイトなどにあった投稿や、実際に使用している私の経験をもとに紹介しています(紹介は記事の真ん中あたり)。
ぜひ参考にしてもらって、自分の環境にあった使い方にアレンジし、安全に使っていきましょう。
日常生活での注意ポイントまとめ
一番の大切な考え方は「最悪の場合を想定して行動する」ことです。
大丈夫かもしれないといった甘えた考えでは万が一の事態を招いてしまいます。
少しでも迷った場合は下記の「注意ポイント・対策ポイントまとめ」を意識しながら、最悪の場合を想定することを徹底して安全で安心な猫暮らしをできるようにしていきましょう。
参考文献
西宮市の動物病院|nicola.(ニコラ)どうぶつ病院 | 芦屋 夙川 | 往診 ペットホテル (nicola-ah.com)
おおじま動物クリニック・江東区の動物病院 (oojima-ac.com)
埼玉県ふじみ野市「さくら動物病院」 (sakura-ahp.com)
ルルル動物病院 | 松山市山越:どうぶつと、どうぶつたちとの暮らしをサポートします (rururu-animal.com)
【新瀬戸駅徒歩1分】ベッツアニマルクリニック瀬戸【動物病院】 (vets-ac.com)
犬と猫の局所ミノキシジル曝露と毒素症:211症例(2001-2019)-PubMed (nih.gov)
犬のミノキシジルの心血管毒性の薬理学的根拠 - PubMedによる (nih.gov)
犬のミノキシジル中毒症の管理の成功 - PubMed (nih.gov)
2匹の猫にミノキシジルを局所投与した後の中毒症の疑い — イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 (illinois.edu)
脱毛クリニック |脱毛治療–ベルグレイビアセンター (belgraviacentre.com)