ズッキーニは猫のシュウ酸カルシウム結石に効果あり⁉研究結果を詳しく解説!

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ズッキーニは猫のシュウ酸カルシウム結石に効果あり⁉研究結果を詳しく解説!

ズッキーニが結石リスクを下げるの?

研究結果の詳細を知りたい!

こんなお悩みにお答えします。

この記事では、ズッキーニが猫のシュウ酸カルシウム結石のリスクを下げる効果について調査した、海外での研究結果の詳細について解説していきます。

参考にした研究内容

Beneficial effects of a prescription home-prepared diet and of zucchini on urine calcium oxalate supersaturation and urinary parameters in adult cats

成猫の尿中シュウ酸カルシウム過飽和および尿パラメータに対する処方された自家製食およびズッキーニの有益な効果

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研究内容の概要

この研究では健康な猫8匹を対象に、ズッキーニと結石についての関係性を調査しています。

調査方法はラテン方格という試験設計を用いられ、試験で評価されたのは5つの異なる食事プランです。

5つの食事タイプはこちら

  1. U-WET: 尿路障害用に設計された高水分含有のウェットフード
  2. U-DRY: 尿路障害用に設計された高ナトリウムのドライフード
  3. HOME: 自宅で調理されたフード
  4. DRY: 成猫用の通常のドライフード
  5. DRY-Zuc: 通常のドライフードに、体重1kgあたり10gのズッキーニを加えたもの

猫は7日間の適応期間を経て、その後12日間にわたって尿の採取と日々の食事および水の摂取量が評価されました。

研究で測定された主な指標は、尿のパラメーターと「相対過飽和度(RSS: Relative Oversaturation)」です。RSSはシュウ酸カルシウム(CaOx)とストルバイト(一種の尿石)の生成可能性を示す数値です。

データは繰り返し測定の分散分析(ANOVA)を用いて解析されました。

詳細な研究内容

実施に行われた実験内容を紹介します。

目的

結石の形成リスクの低減に、HOME食とズッキーニが効果があることを検証する。

※この記事ではズッキーニとシュウ酸カルシウム結石に焦点を当てて解説しています。

対象猫

  • 8匹の健康な短毛種の猫(6匹がオス、2匹がメス)。
  • すべての猫は5歳。
  • 猫の平均体重は4.7キログラムです。標準偏差は1.0キログラム。
  • 体の体格 (BCS)は平均5.0で、標準偏差は0.8、平均的で大きな変動はない。

各食事ごとの試験期間

  • 最初の1週間は慣れさせる期間
  • 次の2週間でデータ取り

この試験を食事ことに繰り返す。

食事内容

  • HOME(手作り):家で用意されスチーム調理された食事。
    • FEDIAF(欧州ペットフード産業連合)の栄養ガイドラインに従ってバランスが取られています。
  • U-WET(ウェットフード):尿路結石治療用で、水分量が高いウェットフード。
    • ロイヤルカナンのユリナリー S/O LP34。
  • U-DRY(ドライフード):尿路結石治療用で、ナトリウム(塩分)が高いドライフード。
    • ロイヤルカナンのユリナリー S/O UHD34。
  • DRY(ドライフード):避妊去勢された猫向けに一般のスーパーマーケットで販売されているドライフード。
    • アフィニティ ウルティマ アダルトキャット。
  • DRY-Zuc(ドライフード + ズッキーニ):上記のDRYにズッキーニを加えた食事。
    • アフィニティ ウルティマ アダルトキャット+ズッキーニ

研究の結果

ここでは研究によって得られた結果を解説していきます。

研究結果の概要

自家製のHOME食にズッキーニを追加した食事と、市販のドライフードにズッキーニをくわえた食事を食べた猫において、非常に低い尿中のシュウ酸カルシウムRSSが示されました。

食事の種類シュウ酸カルシウムRSS
U-DRY2.3 ± 0.6
U-WET1.5 ± 0.9
HOME1.1 ± 0.1
DRY-Zuc1.8 ± 0.5
DRY5.7 ± 1.7

ズッキーニによる、シュウ酸カルシウム結石の形成リスク低減に、効果がある可能性を示唆しています。

水分補給量の違い

補給する水分摂取量によっても結果が変わってくるため、水分補給量は大切な指標の一つです。

食事ごとの一覧を示します。

食事の種類総水分摂取量
(ml/100kcal ME)
総水分摂取量
(ml/kg BW/日)
U-DRY64±934±5
U-WET106±1742±8
HOME53±730±7
DRY-Zuc81±3135±14
DRY56±1027±7

最も多く水分を摂取したのはU-WET(ウェットフード)で、次いで多かったのはドライフードにズッキーニを追加した食事です。

水分摂取量が多いと結石リスクのRSSも低下しやすいため、水分量と総合的に考える必要があります。

結果の解説

この研究結果は「HOME食の水分摂取量とRSS」と、「市販のドライフードとズッキーニを追加した食事のRSSの違い」の2つの結果によって、ズッキーニによるシュウ酸カルシウム結石リスクの低減の可能性を示しています。

ズッキーニの効果を示す2つの点

「HOME食の水分摂取量とRSS」

HOME食の水分補給量がほかの食事に比べて少ないのに、シュウ酸カルシウム結石形成のリスクのRSSが低いことは、手作りのHOME食、あるいはHOME食に含まれているズッキーニの影響による点。

「市販のドライフードとズッキーニを追加した食事のRSSの違い」

DRYの市販の食事と、その食事にズッキーニをくわえただけの食事(DRY-Zuc)を比較した時に、RSSがDRYで5.7、DRY-Zucで1.8となっていて、大幅にシュウ酸カルシウム結石のリスクが低減している点。

これらの2つの点から、ズッキーニがシュウ酸カルシウム結石のリスクの低減に作用している可能性を示唆しています。

あくまで可能性だけど、その可能性は魅力が大きすぎる

この研究結果はあくまでシュウ酸カルシウム結石のリスクが減っている可能性を示す状態だけであって、科学的根拠に伴ったデータではありません

したがって、必ずそうなるとは言い切れませんが、今まであれば出来てしまったら溶解不可能とされている、シュウ酸カルシウム結石のリスクに関しての優良な情報であることは確かでしょう。

今後もっと研究が進んで、通常のキャットフードを食べているだけで、ストルバイトやシュウ酸カルシウム結石ができないという未来が待っていることも考えられます。

そのぐらいの可能性を示してくれているのではないでしょうか。

猫を飼っている私もそうですが、猫を飼っているすべての方にとっては、魅力的な話ですね。

私も首を長くして待ち望んでいます。

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